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教育の質向上支援プログラム(NEEP)

UQ-KU Education Forum 2020

九州大学工学研究院及び農学研究院は、九州大学の「教育の質向上支援プログラム(NEEP)」の助成を受け、平成30年および令和元年にはクイーンズランド大学(以下UQ)に若手教員を派遣して教育研修を実施し、令和元年および令和2年にはUQの教員との連携のもとFDを実施しています。令和元年には、UQより教員研修の専門家2名を招いて「英語によるSTEM教育に関するFD」を実施しましたが、2回目となる今年は12月10日および11日の2日間、コロナ禍の社会状況により、FD「UQ-Education Forum 2020 −Teaching effectively in the time of COVID-19−」をオンラインで開催し、双方の大学から多数の教員が参加しました。

初日(12月10日)では、最初に双方の代表教員より、それぞれの大学のコロナ禍における教育への取組が紹介されました。九州大学からは、教育改革推進本部の深堀聡子教授より「Moving towards a learning systems paradigm with and beyond COVID-19」というタイトルで発表が行われました。その後、UQの教育イノベーション研究所(ITaLI)教育主任のLydia Kavanagh教授より、「Responses to COVID-19: evaluation of student performance and issues」と題して、コロナ禍でのオンライン教育における学生評価の大きな課題に関する同大学の取組の共有がなされました。さらに、UQ理学部の教員2名によるウィズコロナ時代の最新の教育実践の事例発表がありました。まず、Sara Herke講師より、ハイブリッド型での大規模クラスの授業に関する「Teaching large classes in flexible mode」というタイトルの発表が行われた後、Jack Wang准教授より、ビデオライブラリーを用いた実験スキルを構築する方法論に関する自らの授業の事例紹介がありました。

二日目(12月11日)では、最初にUQ機械鉱山学部の野北和弘教授より、UQと九州大学間の研究・教育協力を強化すること、およびオーストラリアと日本との国際的な研究・教育連携を推進することを目指した「UQ-KU研究教育交流プロジェクト」のこれまでの活動報告がなされました。その後、双方の大学の4名3組の教員による教育実践の事例紹介が行われました。まず、九州大学工学部機械工学部門の渡邉聡教授および教育改革推進本部の深堀聡子教授より、機械工学部門でのプログラムレベルの教育実践に関して「Assessment of Program Level Learning Outcomes」という報告発表、また、機械工学部門のJames Cannon准教授より「Teaching Technical Subjects Online」というタイトルで、担当科目のオンライン授業の実践に関する紹介がありました。UQからはJoel Corney講師より、オンラインでの物理実験指導の実際について「Teaching laboratories online in physics」というタイトルで発表がなされました。その後、双方の教員の参加のもと「Opportunities for collaboration」というオンラインでの交流会が実施されました。

昨年に引き続き、九州大学からは工・農学部以外の複数の学部からも教員が参加し、両日とも活発な質疑が行われました。今回のFDは、アフターコロナの時代を見据えた新しい教育の手法について学ぶ絶好の機会になったことと思います。NEEPは本年度が最終年度となりますが、今後もUQとの連携による教育の質向上のプロジェクトを推進していきます。

令和元年度:工学研究院・農学研究院連携「英語によるSTEM教育に関するFD」

九州大学工学部とクイーンズランド大学では、UQ-KUプロジェクト(クイーンズランド大学(以下UQ)—九州大学研究教育交流、コーディネーター:野北和宏教授)による支援を受け、平成27年より日本人学生の派遣プログラム「Q2PEC」、平成29年よりオーストラリア人学生の受入プログラム「UQ-JPIE(University of Queensland-Japan Program for Industry Experience)」を実施し、双方の学生間交流を展開しています。さらに、平成30年からは「教育の質向上支援プログラム(NEEP)」の助成を受け、農学部との連携によりクイーンズランド大学に若手教員を派遣し、教育研修を実施してきました。2年間のプログラムの総括として、令和元年12月17日と18日の2日間、UQより教員研修の専門家を招いて「英語によるSTEM教育に関するFD」を実施しました。

DAY1(12月17日)では、第一部「Teaching and Learning in Higher Education in Australia」においてはUQにおける世界トップレベルの教育を実現するための取組を、第二部「Extending the horizons of English medium instruction」においては英語でインタラクティブな授業をするための教育手法を、それぞれ概観しました。STEM教育がテーマのFDではありましたが、主催の工学部、農学部所属の教員以外にも様々な学部所属の教員が参加し、発表者と参加者の間で活発な質疑応答がなされるなど、参加教員にとって今後の教育に活かせる様々なアイデアを得る機会となりました。

 

野北先生

 

Kavanagh先生

 

 Riveros さん

 

Wiebusch 先生

DAY2(12月18日) の「New Approaches in STEM Education」では、「How to Flip a Classroom and Land on Your Feet」というタイトルで、UQで展開される大規模クラスルームにおけるSTEM科目のためのブレンド型学習の最先端の教授法を、ワークショップの形式で学びました。UQでは、豪州連邦教育省の学習教育局(OLT)の助成を受け、理工系に特化したFlipped Classroom教育開発プロジェクトを2012年から2017年に実施しています。今回指導いただいたLydia Kavanagh教授は、同プロジェクトの主担当教員の一人です。参加教員にとって、UQの代表的な教育者から直接指導を受けることができるたいへん貴重な機会となりました。

午後には、平成30年と令和元年にUQでの教育研修に参加した教員を対象に、フォローアップ研修が実施され、研修参加以降の振りと共に、英語でインタラクティブな授業を行うための新たな知識やスキルを身につけました。さらに、学んだことを今後の授業でどのように活かしていくか、それぞれの教員が目標設定を行いました。

九州大学農学部と工学部では、平成22年に国際化拠点整備事業(グローバル30)の採択を受け、他大学に先駆けて学士課程での国際コースを開設して、今年10年目を迎えました。今回のFDのような機会を通じて、世界に伍する質の高い教員を育成するために今後も研鑽を重ねていきます。


30年度:教育の質向上支援プログラム

平成30年9月17日〜9月21日の5日間、「教育の質向上支援プログラム(NEEP)」による第1回「若手教員のための海外研修」を、オーストラリアのブリスベン市に位置するクイーンズランド大学のセントルシアキャンパスで実施しました。農学部と工学部の合同の取組である本研修には、農学部より4名、工学系の学部より8名の計12名の若手教員が派遣されました。

本研修は、「英語による双方向型のSTEM科目の指導法」の体得と、クイーンズランド大学において展開されるICTを利用したブレンド型学習など最新の教育手法に触れることを目的とし、「UQ-KUプロジェクト(クイーンズランド大学—九州大学研究教育交流)(コーディネーター:野北和宏教授)」の支援を受け、さらに語学教育機関「Institute of Continuing & TESOL Education (ICTE)」と「Institute for Teaching and Learning Innovation (ITaLI)」の協力を得ることで、質の高い教育研修を実現することができました。
プログラムでは、初日にUQ機械鉱山学部による歓迎会が開催され教員同士の交流が行われ、午後からは、毎日5時間に渡り双方向の講義をするための集中研修が行われました。午前中には2回の講義見学、ITaLIの教員によるワークショップ「A blended approach to teaching and learning」、Centre for eLearning Innovations and Partnerships in Science and Engineering (eLIPSE)による最新のeLearningのデモンストレーションなどを実施しました。プログラムの最終日には、研修の集大成として12名の参加教員全員によるMicro-teaching(モデル講義)が行われました。

九州大学工学部とクイーンズランド大学との間では、この度の教育研修以外にも、平成27年より日本人学生の派遣プログラム「Q2PEC」、平成29年よりオーストラリア人学生の受入プログラム「UQ-JPIE(University of Queensland-Japan Program for Industry Experience)」を実施しており、幅広い交流を展開しています。